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歯ぎしりが歯並びを悪くする?

歯並びにはいろいろな種類があるように、その原因も多岐に渡ります。

骨格的なアンバランスがあったり、歯の本数に異常が認められたりするのは、とてもわかりやすい原因といえます。その他にも、実は歯ぎしりのような習癖が原因となって、歯並びが乱れることもあるのです。

そこで今回は、歯ぎしりで歯並びが悪くなる理由をわかりやすく解説します。

 

歯ぎしりとは?

歯ぎしりとは、食べ物を口に入れていない時に、上下の歯列をギリギリと擦り合わせる行為です。無意識に行っていることがほとんどであり、周囲の指摘で気付くケースが多いといえます。例えば、毎日一緒に眠っているご家族やパートナーから、ギリギリといった歯ぎしりの音を注意されたことがある人もいらっしゃることでしょう。ちなみに専門的には、歯ぎしり(グラインディング)以外にも歯の食いしばり(クレンチング)や歯をカチカチと鳴らすタッピングなどを総称して「ブラキシズム」と呼んでいます。

 

ヒトの噛む力は極めて強い

動物が噛む力はとても強いことが知られていますが、私たちヒトの咬合圧も極めて強いため、十分な注意が必要です。一般的な成人は、体重と同じくらいの力で食べ物を噛むことができるのですが、無意識に行う歯ぎしりなどは、その3倍近い力が発揮されるといわれています。つまり、人によっては100キロを超える圧力で歯ぎしりをしていることもあるのです。

 

歯ぎしりは食べ物が介在していない

歯ぎしりでは、皆さんが想像している以上の圧力が発生していると同時に、上下の歯列間に食べ物が介在していない、という点にも着目する必要があります。食事というのは毎日行うものであり、その都度、歯や顎に過剰な負担がかかっていては、60年や70年も使い続けることは不可能ですよね。

 

けれども、実際は食べ物がクッションの役割を果たしているだけでなく、そしゃく圧も歯根膜などによって絶妙に調節されており、口腔周囲の組織への負担は最小限に抑えられているのです。一方、歯ぎしりにはそのようなクッションやストッパーが働いておらず、習慣化することでさまざまな悪影響が及ぶリスクがあるのです。

 

歯の向きが変わる

歯ぎしりによる歯並びへの悪影響として、最もわかりやすいのは「歯の傾斜」です。歯列に過剰な圧力がかかることで、歯が外側に倒れこんだりする現象です。上の前歯が前方に傾くと、出っ歯となります。個々の歯が別々の方向へと倒れ込むと、乱ぐい歯を誘発します。

 

歯がすり減ってかみ合わせが乱れる

歯ぎしりが習慣化していると、歯の噛む部分がどんどんすり減っていきます。これを専門的には「咬耗(こうもう)」といいます。咬耗が生じると、かみ合わせ低くなり、歯並び全体のバランスも崩されます。とくに奥歯がすり減ったケースでは、咬合高径の低下によって前歯が前方へと押し出され、出っ歯の症状が現れやすくなります。

 

歯ぎしりへの対処方法

歯ぎしりは、無意識に行っているケースがほとんどですが、まずは意識的に行わないようにする努力が必要です。歯ぎしりや食いしばりが起こる時は、ストレスや疲れがたまっていることが多いです。規則正しい生活習慣を身に付けたり、ストレスを緩和する方法を見つけたりするなどして、予防に努めましょう。

 

歯医者さんで受けられる歯ぎしりの治療

かみ合わせの異常によって歯ぎしりが生じているケースでは、咬合調整で改善することができます。また、ナイトガードと呼ばれるマウスピースを就寝時に装着することで、夜間の歯ぎしりによる悪影響を最小限に抑えられます。

 

まとめ

このように、歯ぎしりや食いしばりは、歯にダメージを与えるだけでなく、歯並びを乱す原因にもなるため注意が必要です。心当たりのある方は、お気軽に当院までご相談ください。まずは歯ぎしりの有無やその原因について、しっかり調べていきましょう。

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