インプラントで保険適用されるケースとは
当院でも行っているインプラント治療は、原則として保険が適用されません。これは日本で共通の決まり事です。もちろん、20年後、30年後にはもしかしたらデンタルインプラントが保険適用されるようになるかもしれませんが、現状は自費診療となっています。ただし、一部例外的にインプラントが保険適用されるケースがあります。
ブリッジ・入れ歯では回復が難しいケース
インプラントが保険適用されるケースとは、簡単にいうと従来法のブリッジや入れ歯では十分な回復が望めない場合です。具体的には、病気や事故などよって歯だけでなく、顎の骨まで広範囲に失ってしまったようなケースですね。そのような症状に該当する人は極めて稀なので、インプラントは原則、保険診療となっています。
インプラントが保険適用される具体例
例えば、口腔組織に腫瘍が発生したり、顎骨骨髄炎が重症化したりすると、病変と共に歯茎や顎の骨まで切除しなければならなくなります。そうした欠損は、ブリッジ・入れ歯で補うことは不可能ですよね。また、先天性の病気のせいで顎の骨が広範囲に欠損している場合も、ブリッジや入れ歯で治療するのが困難なので、インプラントを保険で受けられることがあります。
標準的なインプラントとは少し異なる?
上述したような保険診療のインプラントは、標準的な治療法とは少し異なります。なぜなら、人工歯根を顎の骨に埋めるだけでは、顎骨の大きな欠損などを補えないからです。そこで使われるのが「インプラント義歯」です。人工歯根を数本、顎の骨に埋め込んで土台を作り、その上に入れ歯のような形をした装置を装着します。
◎インプラント治療を保険で行える医療機関の条件
保険のインプラント治療は、どの歯科医院でも行えるというわけではありません。入院用のベッドが20床以上、当直体制が整っている、3年以上のインプラント治療経験がある歯科医師が2名以上配置されているなど、かなりぎびしい条件が課せられているため、基本的には大学病院のような大きな医療機関でなければ対応できません。
標準的なインプラントに保険が適用されない理由
ここまで、インプラントに保険が適用されるケースについて解説してきましたが、それだけ優れた治療法なら標準的なケースでも保険適用されても良いものですよ。ただ、冒頭でも述べたように、虫歯や歯周病などが原因で失った歯は、保険のブリッジ・入れ歯でも治療することが可能です。審美性や機能性、耐久性を追求するとなると話は変わりますが、失った歯の機能を取り戻すだけなら保険のブリッジ・入れ歯でも十分といえます。ですから、現状ではインプラント治療にまで保険を適用する必要性は低いと言わざるを得ないのです。
まとめ
このように、インプラント治療は例外的に保険適用されるケースがあります。今回ご紹介した内容で気になる点や質問したいことがあればお気軽に当院までご相談ください。当院で診察したのちに、大学病院などをご紹介することも可能です。通常のインプラント治療に関する質問にもお答えします。