インプラントには抜歯が必須?痛みは?なぜ抜くの?
最近では、全国でたくさんの歯科医院がインプラントに対応するようになりました。インターネットや雑誌、街の広告でも「インプラント」という文字をよく目にしますし、誰もが知る治療法となっていますが、適応症や治療手順などを正確に理解している人は意外に少ないものです。
実際、インプラントではなぜ歯を抜かなければならないのか、差し歯とは何が違うのかなど、基本的な部分で疑問を持たれている方もいらっしゃるようです。そこで今回は、インプラントで抜歯が必要になる理由やケース、施術に伴う痛みなどをわかりやすく解説します。
インプラントは失った歯を補うための装置
インプラントは、見た目が差し歯と似ているので、いわゆる被せ物の一種と捉えている方もいらっしゃいますが、それは間違いです。被せ物には必ず土台となる天然の歯が存在していますよね。歯冠の部分がボロボロになっていたとしても、歯根が健康な状態で残っていれば、被せ物を装着できることもあります。
一方、インプラントが適応される症例には天然の歯が残っていません。何もないところに人工の歯根を埋め込んで、それを土台として被せ物を装着するのがインプラントです。つまり、インプラントは、歯を丸ごと失ったケースに適応されるブリッジや入れ歯に近い装置といえるのです。
インプラントで抜歯が必要になるケース
インプラント治療を適応するケースとしては、もうすでに歯を失っている場合と、これから歯を抜く場合の2つに大きく分けられます。ですから、今回のタイトルのようにインプラント治療では必ず抜歯が必要となるわけではありません。1年前に歯を失ったところにも、基本的には問題なく人工歯根を埋め込めます。顎の骨が痩せているなど、何か問題点がある場合は、事前の処置が必要となることもあります。
歯の保存が不可能な場合
虫歯を重症化させてしまい、被せ物では治療が難しくなったケースでは、抜歯をしてインプラントを埋め込むことがあります。歯が残っているのになぜ抜いてしまうのか、不安に感じてしまう方もいらっしゃいますが、抜歯をしてインプラントやブリッジ、入れ歯といった補綴装置で補った方がお口全体の健康にも良い影響を与えることも少なくないのです。もちろん、当院では安易に抜歯を推奨するようなことはせず、かけがえのない歯を保存する道を最後まで模索するようにしております。
抜歯の際には麻酔を施します
インプラント治療のために歯を抜く場合も通常の抜歯と何ら変わりはありません。事前に表面麻酔と局所麻酔を施すため、歯や歯茎の感覚は麻痺しています。歯根が曲がっているような難症例であれば話は変わりますが、抜歯の際に強い痛みを感じることはまずありませんよ。人工歯根を埋め込むインプラント手術も同じで、麻酔が効いているので術中に痛いと感じることはありませんのでご安心ください。
天然歯に優る人工歯はありません
インプラントはとても優れた装置ですが、健全な天然歯には敵いません。天然の歯根と歯根膜があることは、歯が持つ本来の機能を発揮する上で極めて重要であり、さすがのインプラントでもそこまで忠実に再現することは不可能といえます。それだけに今ある天然歯は一生涯使い続けることができるよう、今日からでもケアを徹底するようにしましょう。当院では、どうしても残せなくなった場合に限り、インプラントを装着することをおすすめします。
まとめ
今回は、インプラントで抜歯が必要となるケースや痛みについて解説しました。インプラントは治療の性質上、誤解されやすい部分も多く、疑問や不安がある方も少なくないかと思いますので、何か気になることがあればいつでもお気軽に当院までご相談ください。