噛む力の回復量はインプラント・ブリッジ・入れ歯で違う?
失った歯の治療法を検討する場合、一般の方はどうしても見た目に意識がいきがちです。もちろん、失った歯を補う「補綴(ほてつ)装置」には、高い審美性が求められますが、それと同じくらい重要なものに「噛む力」があります。歯が持つ本来の役割はそしゃくであり、補綴装置にも噛む力を回復する機能が求められて当然ですよね。そこで今回は、失った歯を補うことができるインプラント・ブリッジ・入れ歯の3つで、噛む力の回復量を比較してみたいと思います。
「入れ歯」の噛む力の回復量は天然歯の半分以下
今現在、お使いの方は実感されていることかと思いますが、入れ歯というのは不便を感じる場面が多いですよね。硬いものを噛もうとすると入れ歯がずれたり、外れたりすることでしょう。そうしたトラブルが嫌で、やわらかいものばかり食べるようになる方も少なくありません。つまり、入れ歯には食生活に制限がかかってしまうのです。実際、入れ歯によって回復できる噛む力は天然歯の半分以下と言われています。着脱式でお手入れしやすいものの、好きなものを好きなだけ食べることができないのは、極めて大きなデメリットといえます。
「ブリッジ」の噛む力の回復量は7~8割程度
ブリッジはインプラントと同じ固定式の装置なので、安定性は比較的高いです。噛む力の回復量も天然歯の7~8割程度まで達することから、食生活に大きな支障をきたすこともほとんどないでしょう。ただ、インプラントのような人工歯根は存在していないので、歯を失った部分の骨は徐々に痩せていきます。残った歯を大きく削り、その後も噛んだ時の力を負担してもらうことになるため、残存歯の寿命が大きく縮まるというデメリットを伴います。また、ブリッジは人工歯を複数本連結させた装置であり、インプラントほど見た目が良くありません。
「インプラント」の噛む力の回復量は8~9割程度
最後は、失った歯を唯一、歯根から回復できるインプラントです。インプラントは、チタン製の人工歯根とセラミック製の人工歯、それらを連結するアバットメントから成る補綴装置で、その構造は天然歯とほぼ同じです。見た目も天然に限りなく近い状態まで回復できます。さらには、噛む力を天然歯の8~9割まで回復できるのがインプラントの強みといえるでしょう。8~9割というと、本物の歯と遜色ない程度まで噛めるようになるわけですから、治療によって得られる満足度も高まります。
インプラントならQOL(人生の質)を大きく向上できる
食生活は、人生において最も重要な要素といっても過言ではありませんよね。70歳、80歳になっても美味しいものを好きなだけ食べることができれば、活力も沸いてきて、毎日の生活が楽しくなります。そんな噛む機能をしっかりと回復させてくれるインプラントは、QOLを向上してくれる極めて有用な補綴装置といえるでしょう。そうした背景を知っているからこそ、歯科医師はインプラントを推奨することが多いのです。
まとめ
今回は、失った歯の治療法であるインプラント、ブリッジ、入れ歯では、噛む力の回復量にどのような違いがあるのか、柏市の関デンタルオフィスが解説しました。インプラントには外科手術が必須ではあるものの、そのデメリットを補って余りあるほどのメリットがあります。