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インプラントは、従来の治療法とは大きく異なる点が多々あり、いろいろなご質問を受けることがあります。やはり、先進的な医療は一般の人からするとわからないことだらけですよね。今回はその中でも「インプラントは虫歯になりますか？」という質問にお答えする形で、この治療法の特徴を詳しく解説したいと思います。

インプラントは虫歯になりません

結論から言うと、インプラントが虫歯になることはありません。インプラントは、顎の骨に埋める「人工歯根」と人工歯に当たる「上部構造」、それらをつなぐ「アバットメント」の3つで構成されていますが、すべて“人工物”であり、天然の歯質ではないため虫歯にはならないのです。ちなみに、「差し歯」は見えている部分が人工物なのですが、その下はすべて天然の歯質なので虫歯になります。

虫歯にならないのならケアは不要？

虫歯になるリスクがゼロと聞くと、歯磨きをしっかり行う必要性もないように思えますが、それは間違いです。インプラントは虫歯にはならないのですが「歯周病」にはなります。不十分なケアでインプラントの周りに歯垢・歯石がたまると、細菌が繁殖して歯茎に炎症をもたらすのです。とくにインプラントは、歯と歯茎の境目付近の構造が天然歯とは少し異なっており、「インプラント周囲炎」という歯周病のリスクが高くなっている点に注意しなければなりません。
インプラント周囲炎は、インプラントが失敗する主な原因となっているので、適切なセルフケアと定期的なメンテナンスをしっかり行って予防しましょう。

インプラントの周りの歯は虫歯なる

インプラントそのものは虫歯にならなくても、周りの天然歯は虫歯になります。せっかく、周りの歯を犠牲にする必要がないインプラントを選択したのに、ケアが不十分で虫歯にしてしまったら元も子もありませんよね。インプラントは虫歯にならなくても、通常通り、もしくはそれまで以上にしっかりケアしていくことが大切です。

インプラントにフッ素を使っても大丈夫？

かなり前になりますがある団体が「フッ素はチタンを腐食する」という実験結果を発表しました。チタンはインプラントのかなめとなる人工歯根の主な素材なので、フッ素入りの歯磨き粉を使うことは良くないのでは？という意見が一時期、叫ばれていました。確かにそれだけを聞くとインプラントにフッ素入りの歯磨き粉を使わない方が良いように思えますよね。

けれども、その結果が得られたのは実験室内のことであり、しかも作用させたのは9,000ppmという極めて高濃度のフッ素です。日本で市販されている歯磨き粉には、1,500ppmまでしかフッ素を配合できないことから、そもそも実験のような環境は再現されません。そうした理由から、今現在はインプラントを装着した人にもフッ素入りの歯磨き粉の使用が推奨されています。その他の歯の虫歯を予防するためにも、フッ素入りの歯磨き粉を積極的に活用していきましょう。

まとめ

今回は、インプラントが虫歯になるかどうかについて、南柏の関デンタルオフィスが解説しました。インプラントはすべてが人工物で構成された装置なので、虫歯菌が繁殖しても虫歯になることはありませんが、歯周病にはなります。インプラント周囲が不潔になると、周りの歯にも悪影響が及ぶため、セルフケアの徹底とメンテナンスはしっかり継続していきましょう。