インプラントの「治癒期間」について
インプラントには、その他の治療法にはない「治癒期間」というものが存在しています。これは失った歯を歯根から回復させるインプラント治療ならではの特徴といえるでしょう。今回はそんなインプラント治療における治癒期間の重要性について、関デンタルオフィスが詳しく解説します。
そもそも「治癒期間」ってなに？
インプラント治療における治癒期間とは、顎の骨に埋め込んだ人工歯根が定着するまでの期間を指します。骨質がしっかりしている下顎では3ヵ月程度、下顎ほどしっかりしていない上顎では6ヵ月程度の治癒期間を設けるのが一般的です。
どうしてそんなに長い時間がかかるの？
上述した治癒期間はあくまで目安であり、患者さんの顎の骨の状態によっては大きく前後しますが、基本的には数ヵ月を要します。これはチタンと骨とが結合する「オッセオインテグレーション」という現象に時間がかかるためです。金属というのは本来、私たちにとって異物であり、身体の中に入り込んだら炎症反応などが起こりますが、チタンは生体親和性が高く、数か月かけて骨と結合することがわかっています。チタンは、人工関節にもよく用いられる素材ですよね。インプラントの場合もチタン製の人工歯根が身体の一部となって十分な機能を発揮するまでには、それなりの期間を要するのです。
治癒期間の通院頻度は？
インプラントは、治療期間が長くなることでも有名です。標準的な症例でも半年以上はかかります。それは今回のテーマである「治癒期間」が存在しているからです。治療期間が半年以上にも及ぶと、通院するのも大変そうに感じますが、その点はご安心ください。人工歯根と顎の骨の結合を待つ治癒期間は、それほど頻繁に通院することはありません。特別な問題がなければ、経過を観察していくことになります。
また、人工歯根を埋め込む手術も入院する必要はなく、日帰りで受けることができ、処置自体は1時間程度で終わります。つまり、“インプラント治療は期間が長い”というイメージは、治癒期間による影響が大きいといえるのです。実際に通院する回数は、従来法と比較して極端に多くなるわけではありません。
治癒期間中に注意すべきこと
治癒期間は、人工歯根と顎の骨の結合を待つ期間なので、傷の治りを遅らせるような行為はできるだけ控えた方が良いと言えます。その最たるものは喫煙です。タバコの煙は歯茎の血管を収縮させ、酸素や栄養素の供給を滞らせます。免疫細胞も集まりにくくなることから、歯周病リスクが上昇する点にも注意が必要です。歯周病を発症すると、人工歯根と骨との結合は間違いなく阻害されるでしょう。そういう意味で治癒期間は口腔ケアにも細心の注意を払う必要があるといえます。
まとめ
今回は、インプラント治療の治癒期間について、関デンタルオフィスが解説しました。インプラント手術の方法によってはこの治癒期間・待機期間を短縮したり、省いたりすることも可能です。具体的には、即時埋入インプラントなどですね。そうした高度なインプラント治療にも関心のあるという方は、いつでもお気軽に当院までご相談ください。
