インプラントのメンテナンスを怠った場合の5つのリスク
インプラントはメンテナンスが重要。そういった話はよく聞くものの、実際にどれくらい重要なものかはイメージしにくいことかと思います。一般的な歯科治療でもメンテナンスの重要性が強調されることも多いため、インプラントもそれと同じような感覚で捉えている方も少なくないかもしれません。そこで今回は、インプラント治療後のメンテナンスを怠った場合に伴うリスクを5つご紹介します
リスク1:インプラント周囲炎を発症する
インプラント治療後のメンテナンスが重要視される主な理由は、歯周病リスクです。インプラントは天然歯よりも歯周病にかかりやすいため、できれば高頻度に経過を見てもらった方が良いといえます。通常の歯周病でも3~4ヵ月に1回くらいのメンテナンスが推奨されていますので、インプラント治療後もそれくらいの頻度で定期検診やクリーニング等を受けたいところです。最低でも半年に1回はインプラントのメンテナンスを受けるようにしてください。インプラント周囲炎は、通常の歯周炎よりも進行が早く、重症化しやすい点に注意が必要です。
リスク2:上部構造や人工歯根の破損・脱落
インプラントには歯根がありますが、それは天然の歯根とは根本的に異なります。とくに歯根の周りに「歯根膜(しこんまく)というクッションが存在していないことから、噛んだ時の力などを適度に緩和することができません。その結果、気付かないうちに人工歯である上部構造が欠けていたり、人工歯根と顎の骨の結合が弱くなっていたりしているかもしれません。そうした状態を放置すると、最終的にはインプラントの脱落へとつながります。
リスク3:歯茎や顎の骨のトラブル
インプラント治療を行ってから数ヵ月は、歯茎の状態に注意を払う必要があります。インプラント治療では、歯茎をメスで切開した上で、チタン製の人工歯根を顎骨へと埋め込む外科手術を伴います。手術直後は安定していたとしても、その後のケアやメンテナンス状況が合悪いと感染を引き起こす場合があります。ケースによっては顎骨にまで感染が広がることもあるため十分な注意が必要です。
リスク4:周りの歯が虫歯になる
インプラントは、歯根から歯冠までがすべて人工物で作られているため、虫歯になる可能性はゼロです。その点を誤解してインプラントのケアが不十分になると、周りの歯の虫歯リスクが上昇します。インプラントの周囲で繁殖した細菌は、両隣の歯に感染して、虫歯を引き起こすことを忘れてはいけません。メンテナンスを受けていれば、そうしたトラブルも未然に防げるようになります。
リスク5:顎の骨のトラブル
インプラントは「天然歯のようにしっかり噛める」ことが特長の補綴装置です。この点は人工歯根がない入れ歯やブリッジとの大きな違いといえます。けれども、繰り返しにはなりますがインプラントは人工物です。顎の骨との間には歯根膜が存在していないため、硬い食べ物ばかり噛んでいると顎骨に過剰な負担がかかります。その結果、顎の骨に炎症が起こったり、吸収を促したりしてしまいます。そうした悪い習慣は、メンテナンスを受けることで修正できます。
まとめ
今回は、インプラントのメンテナンスを怠った場合に伴う5つのリスクについて、関デンタルオフィスが解説しました。インプラントは治療後のメンテナンスが何よりも重要である、という話の意味を理解していただけたのであれば幸いです。その他にもインプラント治療に関して疑問に思う点があれば、いつでもお気軽に当院までご相談ください。