天然歯とインプラントでブリッジするのは可能？
失った歯の治療法としては、入れ歯・ブリッジ・インプラントの3つが挙げられます。入れ歯は着脱式の装置で、気軽に作れる反面、装着感や使用感に難があるといっても間違いではありません。ブリッジとインプラントはどちらも固定式の装置でズレたり外れたりすることはなく、見た目も比較的良いといえます。今回はそんなブリッジとインプラントを組み合わせる方法について、関デンタルオフィスがわかりやすく解説をします。
ブリッジには少なくとも2本の支台歯が必要
失った歯をブリッジで治療する場合は、どのようなケースでも少なくとも2本の支台歯が必要となります。一般的には欠損部の両隣の天然歯を2本、大きく削って支台歯とします。欠損部はポンティックと呼ばれる歯冠（しかん）の部分だけの人工歯が配置されることから、噛んだ時の力も支台歯が受けとめなければなりません。
支えとなる天然歯が1本しかない場合は？
お口の中の状態によっては、支台歯となる天然歯が1本しかない場合もあります。そうしたケースでインプラントを1本埋め込んで、天然歯をつなぐブリッジを装着することは可能なのかどうか。これが今回のテーマです。
理論上は可能
天然歯とインプラントでブリッジするのは、理論上は可能といえます。ただし、現実的には推奨できません。なぜなら天然歯とインプラントでは、構造に少し違いがあるからです。天然歯は、歯槽骨との間に歯根膜というクッションのような組織が介在しており、噛んだ時の圧力を緩和してくれます。優秀なセンサー機能も担っているため、噛む力を厳密にコントロールすること可能なのです。
一方、インプラントに歯根膜は存在しておらず、チタン製の人工歯根が直接、歯槽骨と結合しています。つまり、噛んだ時の圧力などがインプラント側に強くかかり過ぎてしまうことから、アンバランスが生じるのです。これはブリッジという装置の寿命を縮め、機能も低下させる要因となり得ます。
天然歯とインプラントでブリッジにするメリットはある？
ブリッジの片側の支台歯を天然歯にすることで、インプラントを埋入する本数が減ります。その結果、治療にかかる費用や外科手術に伴う心身への負担を軽減することが可能となります。これらは患者さんにとって大きなメリットとなるでしょう。けれども、上段でも述べた通り医学的には不利となる点も多いことから、推奨できるケースは一部に限られます。
インプラント2本を使ったブリッジもある
実は、インプラントには2本の人工歯根を埋め込んでブリッジを装着する治療法もあります。この場合は左右の支台歯が同じ条件となるため、天然歯とインプラントでブリッジした場合よりも安定性などが高くなります。また、インプラントの埋入本数を1本、省くこともできるため、実用性の高い治療法といえるでしょう。実際、インプラント2本を使ったブリッジによる補綴治療は、全国的にも広く行われています。
まとめ
今回は、天然歯とインプラントでブリッジを装着することができるのかどうかについて、関デンタルオフィスが解説しました。天然歯とインプラントでブリッジすることは理論上、可能ではありますが、大きなデメリットもいくつか伴うため、あまり推奨はできません。臨床の現場では、インプラント2本を埋め込んでブリッジを装着する方が一般的となっています。そんなインプラントの応用的な治療法についてもっと詳しく知りたいという方は、いつでもお気軽に当院までご相談ください。関デンタルオフィスはさまざまなケースのインプラント治療に対応できます。
