インプラントにしてもガムは食べられる?NGな食事は?
インプラントは、天然歯そっくりの見た目に仕上げられることで有名です。それはインプラントが天然歯とほぼ同じ構造を採っているからです。とくにインプラントと入れ歯を比較した場合は、見た目の違いに驚かれることでしょう。そんなインプラント治療をした後の食生活についても気になりますよね。インプラントでガムを噛んでも外れないのか?硬いものや弾力性の高いものは噛むことができるのか?今回はそうしたインプラントと食生活に関する疑問にお答えします。
ネット上のネガティブな情報について
インターネット上では、インプラントに関するネガティブな情報をよく目にします。「食事の時にインプラントが取れた」「硬いものを噛んだ時に人工歯が割れた」など、インプラント治療後のトラブルを知って、不安に感じている方もいらっしゃることでしょう。確かに、インプラント治療にもそうしたリスクやトラブルはつきまといますが、全体としてはほんの一部の症例に限られます。ほとんどのケースでは毎日、問題なくインプラントで快適な日常生活を送っているものです。それは食生活においても例外ではありません。
インプラントでガムは食べられます
まず、冒頭でも触れた「ガム」に関してですが、当然ですがインプラントでも問題なく食べられます。そもそもガムを噛んだ程度で外れてしまう固定式の補綴装置(ほてつそうち)というのは、欠陥があるといわざるを得ません。もしもインターネット上で「ガムを食べてインプラントが外れた」という書き込みが存在しているのであれば、おそらくそれはインプラント治療における仮歯を指しているのでしょう。
インプラントでも一般的な被せ物治療と同様、仮歯の期間があります。仮歯は文字通り仮の歯なので、最終的な人工歯のようにしっかりと接着することはないため、ガムやキャラメルなどを噛んだ時に外れる場合があるのです。一方、最終的な補綴物である上部構造は、ネジやセメントでしっかり固定されており、ガムを噛んだだけで外れる可能性は限りなくゼロに近いといえます。
インプラントでNGな食事は?
インプラントは、歯科の装置で唯一、人工歯根が付随しています。顎の骨に根付いた歯根があるため、基本的には天然歯と同じような食生活を送れますが、無理はしない方が良いです。例えば、氷やナッツ、梅干しの種などを強引に噛もうとすると、セラミック製の上部構造が部分的に欠けたり、人工歯根と顎の骨にダメージが加わったりする可能性があります。インプラントの歯根部には、歯根膜というクッションの働きを果たす組織が存在していないことから、天然歯よりも脆弱な構造であることに間違いはないのです。そのためインプラントでは極端に硬い食べ物はできるだけ避けた方が賢明といえます。
また、セメント固定式の上部構造では、わざと外れやすいような接着の仕方をしている場合もありますので、お餅やキャラメルなど、粘着性が極めた高い食べ物も可能な限り控えた方が良いといえます。もちろん、インプラント自体はそうした食べ物も不自由なく食べられるように設計されていますが、万が一を考えて食生活にも配慮しておいた方が良いでしょう。
まとめ
今回は、インプラントにした場合に避けた方が良い食べ物について、関デンタルオフィスが解説しました。インプラントは失った歯を歯根から回復できる補綴装置なので、絶対的にNGな食品というものはありません。本文でも取り上げたガムやキャラメル、ナッツなども問題なく食べられるのですが、インプラントへの負担を減らすという意味では、それらを控えた方が賢明です。ガムやナッツを1度や2度、食べたからとって、すぐにインプラントがダメになるわけではありませんが、10年、20年先まで見据えた場合は、常にインプラントへの影響に配慮した食生活を送った方が良いといえるでしょう。